月に100時間の時間外労働をしたことありますか?
「そんなの全然普通でしょ」という人もいるでしょうし、「そんなに長時間働くなんて信じられない」という人もいると思います。
働いている業界や会社によって普通の基準や考え方は異なりますし、感覚的な問題なので一概に言うことは難しいです。
そこで今回は、私が実際に月100時間の時間外労働した際に、どんな生活をしていたのか、給与はどのくらいだったのか、体調やメンタルは大丈夫なのか?といった点について実体験を元に綴っていきます。
どんな生活なのか
私は何度か100時間の時間外労働をした経験があるのですが、比較的多かったのが平日に4~5時間程度残業して、2週間に1回程度休日出勤するというケースです。
忙しい時期というのは数ヶ月続く事が多いので、無理して徹夜で仕事するとあとが続かなくなってしまうため、終電までには帰宅していました。
たまに終電に間に合わず夜中にタクシーで帰宅することもありますが…
平日の生活をタイムスケジュールにすると以下のような感じです。
まず、朝起きて自分と子供の朝食・身支度を済ませ、子供を保育園に送ってから会社に向かいます。そして、会社に着いたらパソコンに向かってを12~13時間のデスクワークです。
こうしてタイムスケジュールとして図にしてみて改めて感じますが、一日の半分以上会社で仕事をしているというのは、とても人間らしい生活とは言えないですね。一日中座りっぱなしなのでこの頃は、肩こりと足のむくみが酷かったです。
帰宅後は、夕食・風呂を済ませて就寝といった流れです。あれ?夕食と風呂長過ぎない?と思うじゃないですか。疲れてるから夕食後は、早く風呂に入って寝なきゃとは思うのですが、動かないんですよ。体が…
立ち上がるのが億劫になってしまい、夕食を食べ終わったら食器も片付けずにテレビやスマホをぼーっと眺めてました。時間が経過してしまったことに気づいて、慌てて風呂に入る感じです。でも風呂に入ってもなかなか浴槽から立ち上がれませんでした。
今考えてみると寝てしまったら、また仕事に行かなければならないから無意識に仕事以外の時間を増やそうとしていたのかもしれませんね。
給与はどのくらいなのか
長時間労働していて誰もが気になるのは給与はどのくらいになるの?ってことですよね。
時間外手当と一口に言っても法定時間外労働、深夜労働、休日労働、60時間超など賃金割増率の異なる様々な分類があります。また組み合わさる事によって割増率が加算されるため、100時間働いたから残業代がいくらになったとは一概には言うことはなかなか難しいです。
ちなみに私の場合、多い月で給与が基本給の2倍以上支給されていました。
「100時間も残業してこれだけかよ」と思うか「そんなにもらえるんだ」と思うかは、人それぞれだとは思いますが、どちらかというと私は嬉しい気持ちが強かったです。毎月賞与をもらってるような気分でした。
時間外手当をいっぱいもらえて喜んでいた私ですが、一つ困ったことが後で発覚します。忙しかった時期が、4~6月に掛かっていたため、厚生年金保険料が前年の約2倍くらいになっていたのです。9月になって仕事が落ち着き、そんなに残業していないにもかかわらず、厚生年金保険料が多く引かれているのを見て悲しくなりました。
体調は大丈夫なのか
あくまで私の場合ですが、忙しいからといって大きく体調を崩すということは意外とないですね。ただ朝起きた瞬間から会社に行きたくないのと睡眠不足、精神的な疲労から気分が良くないのは言うまでもありません。
長時間労働が続いていた頃は、朝スッキリ目覚めるということはまずなかったです。さらに夕食後すぐに眠った場合は、胃もたれ、胸焼けも追加されて最悪の気分です。
あとは気絶というと大げさですが、夕食を食べて一息ついていたら朝になっていたり、浴槽に入っていたと思ったらお湯が冷たくなっていたりと、無意識のうちに眠っていることもありました。
毎日遅くまで残業することが常態化してしまい、長時間会社にいるものの疲労や睡眠不足で、頭が回らず仕事の効率もかなり落ちていました。仕事が全く進まずに、今日何してたんだろう。何も進まないなら早く帰って寝ればよかったと思うことも何度もありました。
意外と体調を崩さなかった私ですが、あの頃は毎日「倒れたい」と思ってました。会社を休んでしまうと同じチームのメンバーに負担がかかってしまうため、少し体調が悪くても休むという選択肢が頭の中になかったんですね。会社には行きたくないけど、自分から休むと言うのも気が引ける。倒れてしまえば強制的に休めるのになぁと思い続けてました。
もちろん倒れないほうが良いのは当たり前ですが、当時は倒れたほうが楽になれると思ってました。かなり追い詰められていたんですね。
メンタルは大丈夫なのか
自分自身の感覚だけで言うなら、こちらも意外と大丈夫だなと思っていました。ただこれだけ働いていて大丈夫だと思う時点ですでに感覚がマヒしてるということを自覚したほうが良いですね。ただ自分では、なかなか異常に気が付きにくいため、周囲の人が気がついてあげることが大切かもしれません。
例えば、以下のような症状はうつ病の初期症状のため、注意が必要です。
- 体がだるく元気が出ない
- 食欲がでない
- 作業効率が下がる
見事に当てはまってますが、今は何事もなく元気に過ごせているので良かったです。メンタルに関しては、仕事による外部からのストレスの大きさと自身のストレス耐性の兼ね合い、職場や家庭などの周りの環境によるところが大きいため、一概には言えませんが、私の場合は周りの環境に恵まれていたと思います。
チームのメンバーとは、頻繁にコミュニケーションをとってお互い協力して仕事をしていましたし、朝くらいしか会えませんでしたが、妻や子供とも触れ合えていました。
もしこれが、社内で会話をしにくいような職場環境であったり、単身赴任、または、独身で一人暮らしだったなら、もしかしたら耐えられていなかったかもしれません。
家庭は大丈夫なのか
長時間労働をしていると家にいられる時間も少ないため、家族団らんの時間も限られており、子供とまともに会えるのは朝と休日だけでした。
家事と育児も妻に任せきりとなり、妻の負担が増えることで顔を合わせる僅かな時間にもかかわらず険悪なムードになりがちでした。
自分は仕事で疲れていて余裕がない。しかし、妻も家事と育児で疲れていて余裕がない。お互いにピリピリしていて家庭内の雰囲気はとても良いとは言えない状況だったと思います。
また、私は元気だったのですが、妻が鬱になりまして、「家庭は大丈夫なのか?」と聞かれたら、我が家は大丈夫ではなかったということになると思います。
自分の長時間労働のせいで、妻や子供に負担をかけてしまったのは本当に申し訳なく思います。
好きで長時間働いていたわけではないですが…
まとめ
実際に長時間労働をした経験を元に書いてきましたがいかがでしたか?長時間労働というのは、自分自身だけでなく、家族や家庭をも壊してしまう可能性があります。
慢性的な長時間労働をしている方や「労働基準法」を遵守しない会社に勤めている方は、自分自身だけでなく『家族』のために、今一度自分の働き方や働く会社を見つめ直してみてはいかがでしょうか。